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成績UPの鉄則 2022年4月

『理解』が先か『思考』が先か

効率よく勉強を進めていく上で、私はよく子どもたちに「答え見ちゃえ」って言います。

それを言うと「え?いいの!?」っていう顔をされます。
彼ら、彼女らの中では「カンニングじゃない?」っていう感覚があるんでしょうね!

私の中ではテスト中のカンニングはもちろんアウトですが、
練習中はカンニングがOK、それよりも理解を深めることが大事だと思うからです。
もちろん、赤ペンで答えを写して「はい、終わりました!」は意味がありませんよ!

私が子どもたちに到達して欲しいな、と考えていることは、
『理解を深めること』『納得して、あ!そうか、となってもらうこと』です。

さて、ここで皆さんに考えて欲しいことがあります。
『理解を深める』がゴールだとしたら、
どうやってそのゴールに向かいます?

方法は主に2つあると思います。
① 我々に質問して解説をきく
② 教科書や解答の解説を読んで理解する


私の目標としては、できるだけ②を達成してもらいたいと思っています。
なぜなら、①よりも②の方が学習としては高度だから。
そして、②ができるようになれば、家でも自分で学びを深めることができるから、です。

もちろん、すべての勉強が②になることって難しく、
②の学習が基本となっていて、それでも理解できない部分を①として質問する、というのが理想です。

だって、会社でも何でも、
たいして調べもせずに「これなんすか?」って質問する人はきっと、求められる人材ではありません。

答えを見て調べる。
これも1つの実力なのだと考えています。

とは言え、「答え見ていいぞー」のまま放置してしまうと、
子どもたちは浅ーーーーーーい勉強をし始めます。

そこがやはり指導のポイントで、
生徒に自分で調べさせた後にきちんと理解の深さを確認することが重要です。

もう1つ「答えを見ていいぞ勉強」の弊害としては、
自分で『思考』をしなくなります。

解答に書いてある解き方は、中学の教科書レベルであれば、
確かに最短ルートであり、ぜひとも覚えて欲しい解き方なのですが、
自分が導き出した「はみ出した考え方」が身に付きません。

「はみ出した考え方」というのは、教科書通りでない、オーソドックスではない独自の解き方で、
正直、ある程度のレベルまではそんなものは無くても成績は上がります。
ただ、上位3%くらいを狙っていくのであれば、
私はその「はみ出した考え方」ができない子は、率直に言ってとても弱いと思う。
ある程度以上を目指すのであれば、その「はみ出した考え方」は必須だと考えています。

だから、私は子どもたちに「答え見ちゃえ見ちゃえ」って言う一方で、
「ちょい待ち!まだ答え見ないで、もうちょい悩んでみて~」と言うこともあります。
何を基準に、と言われると難しいですが、
解き方のルートが複数見えるときですかね。

歴史の人物名が分からなかったら、
答えを見せちゃったり教科書読ませちゃった方が速くて理解も深まりますが、
資料の読み取り系でしたら、考えさせるメリットはデカいです。
とは言え、それも生徒によりけりですね~。
同じ問題が出てきても、同じ指示を出すとは限らないです。

答え見ちゃえ、なのか、
もうちょい悩んでみ、なのか、
今日は飛ばしてもう少し理解が深まったら再挑戦しようぜ、なのか。

勉強は理解を深めることがとても大事で、それが一番の目標だと考えていますが、
単純に理解を深められる解説をたくさん受ければいいワケではないし、
かと言って、思考してばかりだととにかく進みが遅くて学びが鈍くなります。

そのあたりの匙加減がとても難しいところですよね。
こういうのを考えると、やっぱり教育に関してAIには無理だろうな…と思います。
基礎を固める意味ではAIは有効ですが、先ほど述べたような、
はみ出した思考をさせることは、機微な判断力が必要だと思いました。

とは言えAIももう少し発達して僕のイメージ通りのものができたら相当便利ですからね!
最終的にはAI共存できる塾になっていけたらな、と思います。

英語とパスタと手紙

先日、とある数字がつく高校の生徒2名とこんな話をしました。

「なんで英語って勉強しないといけないんですかね?
 スマホの翻訳機ありますもの」

ちょっと前までだったら、
「そうは言っても、スマホの翻訳もまだまだ変な訳するし、
 ビジネスでスマホかざして商談するのもおかしいし、
 その翻訳が、自分の意図したことを正しく伝えられているかどうかの判断ができるくらいの力は
 最低限必要なんじゃないかな。」
なんて話をしていましたが、
そろそろ、科学技術が我々の実力を追い抜いてきそうですね。
あと10年もすれば、プロの通訳と同じくらいの精度の翻訳をしてくれるかもしれません。

生徒たちの言い分としては、英語を勉強したくない、というワケではなく、
「英語を勉強する時間があったら、数学や他の科目を伸ばした方が結果としてプラスじゃない?」
というお話。

確かに、一理ありますね!!

どうせ10年もすれば、スマホ翻訳が通訳してくれるんだから、
今、そこに努力のエネルギーを注ぐ価値はどこまであるんだろう、と。

今は英語でコミュニケーションがとれる人がビジネスでも求められていますが、
本当に翻訳アプリが今よりもずっと高性能になったら、
人間が通訳するよりミスが少ないくらいの精度になってしまったら、
そこにわざわざ人件費をかけて採用する企業は少なくなるかもしれません。

とは言え、やはりなんか腑に落ちない、というか、
英語や言語ってそれだけじゃないよな、と思います。

日本語も含めて、そこには文化があり、日本語にしか表せない言葉の機微や奥深さ、
英語だから表現できる面白さが詰まっているはずです。

『千と千尋の神隠し』というジブリの映画がありますが、
『神隠し』という表現が海外には存在しないため、翻訳家たちを悩ませたそう。
『チヒロ、行方不明』なんて訳されても奥深さが伝わらないですね!

逆もまた然りだと思います。

やはりそういった表現を感じ取るには、やはり英語を学ぶしかないのかな、と思います。

最近、冷凍パスタって皆さん召し上がることありますか?
私はたまに食べますが、今、かなり美味しいもの増えましたよね。
しかも1つ200円以下という格安!
2種類食べても400円でお釣りがくる。
私が自分で作ったりするより、明らかに美味しい、そして安い。

スマホの翻訳アプリで充分じゃん、っていう意見は、
「パスタは冷凍パスタで充分じゃん」に似ています。
もう充分うまいですものね。

でも、やっぱり料理上手な人が作ったパスタだと、野菜をたくさん入れられたり、
好みの味にできたり、新しいアレンジをしたり。
要はパスタで楽しむことができています。

冷凍パスタは美味しくて、安くて、手軽ですけど、
食事として楽しむものではないですもんね。

英語も同じで、やはり楽しめるものとして、学ぶ価値はあるんじゃないかな、と思います。
映画を観ていても、やはり吹き替え版とでは、味わいが違うように感じます。

彼らは結局、納得したのかどうか分かりません。
「受験で必要だから」という理由が結局のところ、最大の原動力になっている気もします。

確かに、今、何かを伝えるときに手紙を書く人も減りましたものね。
昔は手段がそれしかなかったから、手紙が主だったと思いますが、
今はLINEやメールですからね。
楽だし早いし安いです。
とは言っても、やはり何かで手紙をもらえるととても嬉しいし、
その人にしか出せない味わい深さを感じます。


英語を学ぶということの価値が「ビジネスに必須だから」というよりも、
手紙のように、パスタを作るように、
教養として、楽しむものとして、というものに変わっていくのかな、と感じました。

10年後、どうなってるんですかね。
アプリによって、ドラえもんの『翻訳こんにゃく』が現実化してしまうかもしれませんね。

とりあえず現状として、英語が堪能であることはビジネスにおいてものすごい武器になっています。
英語が堪能な人の活躍の場はめちゃくちゃ広く、
正直なところ学ぶコスパがものすごく高い科目の1つだと思いますので、
ぜひ皆さんには頑張って欲しいなと思います。

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